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【支援先サロン取組紹介】プリマヴェーラ神楽坂

支援先サロン取組紹介 プリマヴェーラ神楽坂 支援先サロン取組紹介
【取材・執筆協力】 プリマヴェーラ神楽坂・東京都美容生活衛生同業組合
BA東京美容コンソーシアムは、公益財団法人東京しごと財団から「団体別採用力スパイラルアップ事業」を受託し、支援先25サロンを対象に支援を行っています。 この度、支援先サロンであるプリマヴェーラ神楽坂の山下礼子先生にインタビューを行いましたので、今回はそのインタビュー内容をもとに、サロンの特徴や、最近導入の制度などについて、好事例としてご紹介します。

プリマヴェーラ神楽坂は、都心の高級住宅街、神楽坂に位置する落ち着いた大人の集う美容室だ。プリマヴェーラとは、初期ルネサンス期の巨匠サンドロ・ボッティチェリの有名なイタリア絵画の名でもあり、イタリア語で春を意味し、始まりや芽生えなどのイメージを店舗名とした。南イタリアをイメージして作られたサロンインテリアは、お客様を非日常へと誘い込む。

お店の差別化として位置付けられているのは魅力的なヘッドスパメニューの数々。イタリア・カプリ島の「青の洞窟」をモチーフにした幻想的なシャンプーブースに、フルフラット式の「ファーストクラス・シャンプー台」を導入。 お客様が心からくつろげる「夢のようなスパスペース」を実現している。

また、プリマヴェーラ神楽坂とは別に、「スタジオプリマヴェーラ神楽坂」という美容室を経営。こちらは2014年にオープンし、「ウイッグの美容室」として、お客様の要望に合わせてウイッグのカットやメンテナンス、オーダーメイドウィッグの受注、既製品の販売等を行っている。

プリマヴェーラ神楽坂

美容師と美容の大企業勤務。二つの経験を活かし就業規則を作成

会社員と美容師の両方を経験しているからこそ、見えてくるものがある。
プリマヴェーラ神楽坂のオーナーは、銀座の有名老舗美容室に美容師として10年の修行を経て大手化粧品会社で13年間にわたり美容師教育、商品開発、美容イベント等の仕事を経験し、その後独立開業したという経歴を持つ。そんな経験から、プリマヴェーラ神楽坂の就業規則は大企業と比肩するレベルに作られている。就業規則の作成に力を入れようと考えたのは、オーナーが一般企業と比較し美容師の雇用環境の悪さを痛感したことが大きい。美容界が魅力的な業界になれば、優秀な人材が美容師を職業として目指し入ってきてくれる。そのためには「美容界を変えていく」という意識を持って、1軒1軒が美容室を改革していくことが必要だと考えたからだ。

2003年の創業時より、労働基準を満たし、一般企業と同等の待遇の就業規則を意識し、近年では「働き方改革」で、より働きやすい環境作りのための改革を常に行い続けている。

美容室の勤務は一般的に、土日祝日を含む長時間勤務、有休が取りにくい環境、営業時間前後の技術練習と定休日である火曜日のイベントや講習会参加など、プライベートの時間が取りにくいという声を多く聞く。そんな中、1店舗からでも美容業界をよくするという意識で、創業以来できうる改革をやってきたという。

営業時間の短縮、有休の取りやすい環境作り、営業時間外に行っていた会議や練習会を営業時間内に行うなど。近年設定した制度としては、月に4時間までの一時外出制度や、短時間正社員制度、テレワーク制度が挙げられる。一時外出制度は、日中忙しく働いているため、病院や銀行や役所への手続き等に行くことができないことを懸念して、営業時間中に一時外出できるようにするものだ。4時間をまとめてとっても良いし、ばらして使用することも可能だという。夕方の講習会に参加したり、ディナーデートの約束など使い方は自由。同制度は使い勝手が良く、社員の好評を得ている。

就業規則を整備し、制度面を充実させることで、スタッフの就労意欲の向上や、ママ美容師・休眠美容師などの新たな人材の確保につなげることができる。スタッフはメリハリを持って働くことが出来る上に、残業時間や早出はなくなり、有休消化率も100%に近いという。

団体課題別スパイラルアップ事業の感想について

団体課題別スパイラルアップ事業に参加したきっかけは、「働き方改革」と「女性活躍推進」という設定に具体的に惹かれたからだという。実際歴代の店長は2020年まで男性であったが、新たに女性活躍を推進し、女性店長を起用するに至った。

また、各種講習会の内容も魅力的だったという。美容師が身に着けるべき技術や知識をすべて自社内で教育することは難しい。だが、今回の講習会に参加してもらうことで、個人売上を伸ばし、生産性をあげていくことは個人の収入が増えると同時に、より良い労働環境の整備につながり更に働きやすい環境を手に入れることができるのだ。さらにこの講習会は無料で参加できるので、個人にも美容室にも負担がないことも大きい。そういった機会の提供は、業界の底上げや離職防止にもつながると感じたそうだ。オーナー自身もアピアランス・サポート技能講習会に参加して、実際に働いているナースの皆さんから現場の話を聞いた。美容師は技術主導で考えがちだが、医療用のウイッグのお客様への接客時には気をつけなければならない心理的なサポートや心遣いの部分をもっと深く一歩踏み込んで考えることが出来るようになったという。

それは例えば、患者側が実際にアピアランス・サポートを受けるまでに、どのような心身の痛みや葛藤があってそこに至るかということだ。今まではウイッグを提供する側の認識・価値観であったものが、患者側の思いや、医療現場のサポートを知ることで、双方向の認識・価値観を持てるようになれたのである。

今後の展望について

美容会は特殊だから一般の就業規則を適応するのは難しいと考えず、更に働きやすい環境作りをすすめ、スタッフの拡充をすすめていきたい。そして、1年以上にわたる新型コロナ禍を過ごし、美容室の接客以外の業務のテレワーク化も視野に入れながら今後の方向性を見極めていきたいと考えているという。

プリマヴェーラ神楽坂を参考に、美容業界にも多様な働き方が芽生えていくことを信じていたい。

【取材協力先】
プリマヴェーラ神楽坂 山下礼子先生 https://primavera-kagurazaka.jp/

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